睫毛の影

 バイト、結局辞めれませんでした。改めて辞めたいと言ったのですが、店が回らなくなるから卒業までいてほしいと言われ、その後も賄賂さながらの豪華なまかないや、大量の蜜柑を渡されて、もう意地でも辞めたいんですとは言えない雰囲気になってしまいました。いや、私の意志が弱かっただけなんですが……なんというか、社会ってこういう風にして回っているのだなと思うと、24時間営業の店やZOZOTOWNやAmazonを単に便利だと言って使えなくなりますね。例のごとくヘラヘラしながら、頑張って働きますね~wwと適当に流しましたが、あんなにシミュレーションしたのにいざとなったら一切上手くいかなかったショックで、脳内はプチパニックでした。そもそも、何かをやめるという選択をするのが本当に怖くて苦手なのに、私がようやくちゃんと口に出して言った「辞めます」は、他人から見ると冗談みたいに軽い音だったという事実に耐えられませんでした。自分が全く真剣なトーンで話せなかったということ、分かってはいます。でもわかったからって、全部理想通りに出来るとは言ってない!真剣そうな顔するのって才能だとしか思えません。あと、悲しそうな顔と疲れてそうな顔もわからん。どこにいても一生疲れないバケモンだと思われてるの最悪なので、人前でまともな顔作れるようにしたいです。

 はい!めそめそ終わり!今日は睫毛について考えたこと。
 少し前まで、絵を描くときに睫毛をバサバサにすると顔が老けるような感じがして、あまり睫毛を描かなかったのですが、最近は顔面の情報量を増やすために細かく描くようにしています。相変わらず睫毛を描くことによって滲み出す老け感(私の技量不足のせい)は否めないんですが、目力が増して緻密な感じになったように感じました。
 睫毛を描くにあたって、睫毛の生え方や長さが全く分からなかったので、自分の顔面を見て描き方を考えるようになりました。で、気付いてしまったのですが、多分自分は睫毛が長くて量が多いです。これはちょっと自慢。実際に誰かと比較したことはありませんが、インターネットで目の画像を見たり、友人と睫毛事情(メイクについて)の話をしたりすると、なんか自分って睫毛のポテンシャル高いのかもなと思うようになり……これを見本にするから、過剰に睫毛を描いてしまうのかもなと感じました。
 そうは言っても、私はちょっと睫毛長いかもという程度です。さすがに自意識過剰だったかもな……いや、でも親族は見てわかるくらい睫毛がバサバサなので、やっぱり私も勘違いじゃなく本当に凄い睫毛なのかもしれない(違う)。本当に睫毛がバサバサな妹は、睫毛の寝ぐせ(本当にすごいことになってる、睫毛が折れ曲がってる)を直さないと外に出れないとか言ってるし、父親は眼鏡を適切な位置で掛けると睫毛の毛先に当たるから、いつもずらして掛けているらしいです。あと、睫毛が邪魔で顕微鏡が上手く使えない!これは私もあります。中学高校の実習で顕微鏡を使うものがありましたが、普通のアイポイントでレンズを覗くと真っ暗な上に瞬きする度にカシャという睫毛とレンズが触れ合う音がするので、指で目をこじ開けて覗くようにしていました。
 嫌味みたいな話だけど、こういう「睫毛が鬱陶しく感じるエピソード」は、思い返せば沢山あります。眉毛を剃るときに睫毛まで削れるとか、寒い日に息をした時の水蒸気で睫毛がびしょぬれになって、泣いてるようにしずくが垂れてくるとか……最近私が感じたのは、自分が普段見ていた世界は他人より少し暗かったのかもしれないということです。顕微鏡の話と似ているのですが、今まで睫毛のせいで視界が暗かったのではないかと思うようになりました。最近、ようやくビューラーで睫毛を持ち上げてからマスカラを付けるようになったのですが、なんかめちゃくちゃ視界が明るいんですよね。びっくりするくらいクリア。伏せ睫毛ぎみということもあるのでしょうが、それにしても凄いんですよ、本当に視界が明るい。鮮明な視界があまりにも嬉しくて、特に外に出る用も無いのにマスカラを付けるようになってしまいました。
 絵で瞳を描く際にまぶたの影のようなものを描くのですが、睫毛でこれだけ目に入ってくる光の量が変わるのであれば、まぶたとは言わず睫毛の影まで拡張してもいいのではないか、と思いました。特に、自分は伏せまつ毛のジト目が好きなので……こうやって少しずつ顔面を描くことへの苦手意識を減らしていけたらなと思います。